夕立が、心の中までもずぶ濡れにした。
バイトから帰ってみると美弥はおらず、友達の家に泊まるというメモ書きがある。残り少ない夏休みを満喫するつもりらしい。
冴えない顔のまま高耶がシャワーを浴びて出てくると、喉の奥の方が痛いことに気付いた。朝からずっと調子が悪かったのに、無理をしたせいだ。ベッドにうつぶせになると、訳もなく涙が滲んできて、高耶は眼を閉じた。
少し前まで、自分は思ったより幸せなのかもしれないなんて考えていた。
仙台での事件はひどいものだったけど、自分にとっては初めて仲間と呼べる人間たちと、徐々に信頼の置ける関係を築きつつあったからだ。
今までがどん底の人生だったから、これからはずっと上がり調子でいくのかもしれないなんて。
そんな浮かれた気分は全部、あの男に砕かれてしまった。
バイトから帰ってみると美弥はおらず、友達の家に泊まるというメモ書きがある。残り少ない夏休みを満喫するつもりらしい。
冴えない顔のまま高耶がシャワーを浴びて出てくると、喉の奥の方が痛いことに気付いた。朝からずっと調子が悪かったのに、無理をしたせいだ。ベッドにうつぶせになると、訳もなく涙が滲んできて、高耶は眼を閉じた。
少し前まで、自分は思ったより幸せなのかもしれないなんて考えていた。
仙台での事件はひどいものだったけど、自分にとっては初めて仲間と呼べる人間たちと、徐々に信頼の置ける関係を築きつつあったからだ。
今までがどん底の人生だったから、これからはずっと上がり調子でいくのかもしれないなんて。
そんな浮かれた気分は全部、あの男に砕かれてしまった。
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