国領と言う男性は、確かに精神を鍛えた者だけが持つ独特の研ぎ澄まされた気を放っていた。
しかしそれ以上に、他者に対する愛情が、身体の外にまで滲み出ている。そんな人だった。人の助けとなることが、自分の存在意義だと信じている類の人間。直江はそう見てとった。
目前に座らされて、直江は国領の顔を見る。
彼の瞳は直江の瞳の奥を探っていたし、彼の気は直江の気の異常を捉えようと触手を伸ばしているのがわかった。
けれど直江は、それをさせるつもりはない。
眼を逸らすと、感情をシャットダウンし、気の乱れもないように整える。すると、
───ヨシアキ!
驚いたことに国領は思念波で呼びかけてきた。
意識的に思念を飛ばしているというよりは、相手に呼び掛ける強い心が思念波となって届いてくる、というところだろうか。
普通の人間なら驚くところかもしれないが、直江は眉ひとつ動かさなかった
まるで何も聞こえていない風を装って俯いていた。
ところが。
しかしそれ以上に、他者に対する愛情が、身体の外にまで滲み出ている。そんな人だった。人の助けとなることが、自分の存在意義だと信じている類の人間。直江はそう見てとった。
目前に座らされて、直江は国領の顔を見る。
彼の瞳は直江の瞳の奥を探っていたし、彼の気は直江の気の異常を捉えようと触手を伸ばしているのがわかった。
けれど直江は、それをさせるつもりはない。
眼を逸らすと、感情をシャットダウンし、気の乱れもないように整える。すると、
───ヨシアキ!
驚いたことに国領は思念波で呼びかけてきた。
意識的に思念を飛ばしているというよりは、相手に呼び掛ける強い心が思念波となって届いてくる、というところだろうか。
普通の人間なら驚くところかもしれないが、直江は眉ひとつ動かさなかった
まるで何も聞こえていない風を装って俯いていた。
ところが。
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