馬鹿じゃないかと言いたくなるほど、橘は高耶のすぐ傍に立って、報告を始めた。
何をそんなに近寄る必要があるのかと思う。
高耶は高耶で、それを不思議とも思っていないようだ。
他の人間だったら、毒がどうとか言って距離を取るくせに。
「兵頭、例の件調べたそうだな」
橘が偉そうに聞いてきた。
お前に言われたからではない、隊長に言われたから調べたんだと心のなかでなじる。
負けじと高耶の傍に近寄って、報告を始めた。
すると。
「隊長。目の下のところ、どうしたんです」
「ああ、昨日の戦闘でちょっとな。───触るなよ。痛いんだから」
「結構深いですよ。消毒、したんですか」
人の話を聞いているのかいないのか、こそこそとふたりで話している。
「なめときゃなおんだろ」
「そんなところ、どうやって舐めるんです」
「どうやってって───ってこら!おまえが舐めなくていいって!小太郎かよ」
「……奴に舐められてるんですか?どこを?」
「は?顔とかだけど……変な意味に取るなよ」
兵頭はため息をついて、くるりと踵を返した。
「おい、兵頭。どこにいくんだ」
「持ち場に戻る」
「まだ報告が終わってないだろ」
「そがいなもんはとっくに終わっちょります」
「え?まじ?悪い、聞いてなかったから最初から……」
その言葉を無視して、兵頭はさっさと持ち場へと戻った。
何をそんなに近寄る必要があるのかと思う。
高耶は高耶で、それを不思議とも思っていないようだ。
他の人間だったら、毒がどうとか言って距離を取るくせに。
「兵頭、例の件調べたそうだな」
橘が偉そうに聞いてきた。
お前に言われたからではない、隊長に言われたから調べたんだと心のなかでなじる。
負けじと高耶の傍に近寄って、報告を始めた。
すると。
「隊長。目の下のところ、どうしたんです」
「ああ、昨日の戦闘でちょっとな。───触るなよ。痛いんだから」
「結構深いですよ。消毒、したんですか」
人の話を聞いているのかいないのか、こそこそとふたりで話している。
「なめときゃなおんだろ」
「そんなところ、どうやって舐めるんです」
「どうやってって───ってこら!おまえが舐めなくていいって!小太郎かよ」
「……奴に舐められてるんですか?どこを?」
「は?顔とかだけど……変な意味に取るなよ」
兵頭はため息をついて、くるりと踵を返した。
「おい、兵頭。どこにいくんだ」
「持ち場に戻る」
「まだ報告が終わってないだろ」
「そがいなもんはとっくに終わっちょります」
「え?まじ?悪い、聞いてなかったから最初から……」
その言葉を無視して、兵頭はさっさと持ち場へと戻った。
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