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『 横浜 02 』≪≪    ≫≫『 ラブラブ 』   
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 高耶が泣いている。
 まだとても小さくて、たぶん4つか5つくらいの高耶が泣いている。
 大声で喚きながらではなく、しくしくと悲しみに耐えながら泣いている。
 その様子があまりにもいじらしくて、直江は高耶を抱き上げた。
───どうしたの?
 そう、尋ねると、
───どうもしない
 小さかったはずの高耶は、いつのまにか今の高校生の高耶になっていた。
 挑戦的な目付きで直江の首に腕を巻きつけてくる。
 しかも、何故か全裸だ。
「た……っ、たかやさんっ!」
 直江が慌てて引き剥がそうとしても、手足が絡みついてきて引き剥がせない。
───直江
───離れてくださ……っ!
───なおえ
───高耶……さん……

「なーおーえ」
「!」
 そこで、はっと目が覚めた。
 直江のベッドの傍らにには、不思議そうな顔をした高耶が立っている。
「大丈夫かよ」
 カーテンの隙間から、朝の光が漏れていた。
「めずらしいな、オレのほうが先に起きるなんて」
 そういいながら高耶は、寝巻きを脱ぎだしている。
「今日はどこ行くんだっけ?」
───……」
 直江は、問いかけてくる高耶をぼーっと眺めてしまった。
 なんであんな夢を見たのだろうか。
 昨日の夕食の時、高耶の小さい頃の話なんて聞いてしまったからだろうか。
「直江?」
 着替えを終えた高耶が顔を覗き込んできた。
「まだねぼけてんのかよ。オレ、腹減ってんだけど」
 その一言で、直江の頭は急速に現実へと戻っていく。
 笑顔を浮かべると、
「じゃあ、朝食にしましょう」
 そう言って、立ち上がった。
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