見上げた空は青く澄んで、綿のような雲がゆるやかに流れている。
強い太陽の日差しが、春の終わりを告げてくる。
ゆっくりと歩きながら、何故かこれは夢なのだとわかっていた。
それでも気持ち良さそうに飛んでいる大きな鳥があまりにもリアルで、
高耶は眼を細めてそれを眺めた。
吹きぬける風があたたかくて、心までぽかぽかしてくる。
ぐるりとあたりを見回すと、一面が草原のようになっていた。
そしてその先には、空の色を映す海。どこかの岬のようだ。
『おにいちゃん!』
突然、まだ小学生の美弥が腰のあたりにしがみついてきた。
『ねえ!はやくいこうよう!』
指差す先にはいつの間にかに美弥のお気に入りだったブランコが置かれている。
おしておしてとせがまれておしてやってるうちに、美弥が勝手に
こぎ始めてしまったので、高耶は空いているもうひとつのブランコに腰掛けた。
身体をゆるく前後に揺らしながら、もう一度空を見上げる。
こんな時間が訪れることは、きっともう二度と無い。
『おにいちゃん』
自分のブランコを降りた美弥が、膝の上に乗ってきた。
その美弥を乗せたままブランコをこぎながら、それでももし許されるものならば、
いつかこんなところに住めたらいいと、想いを巡らせた。
強い太陽の日差しが、春の終わりを告げてくる。
ゆっくりと歩きながら、何故かこれは夢なのだとわかっていた。
それでも気持ち良さそうに飛んでいる大きな鳥があまりにもリアルで、
高耶は眼を細めてそれを眺めた。
吹きぬける風があたたかくて、心までぽかぽかしてくる。
ぐるりとあたりを見回すと、一面が草原のようになっていた。
そしてその先には、空の色を映す海。どこかの岬のようだ。
『おにいちゃん!』
突然、まだ小学生の美弥が腰のあたりにしがみついてきた。
『ねえ!はやくいこうよう!』
指差す先にはいつの間にかに美弥のお気に入りだったブランコが置かれている。
おしておしてとせがまれておしてやってるうちに、美弥が勝手に
こぎ始めてしまったので、高耶は空いているもうひとつのブランコに腰掛けた。
身体をゆるく前後に揺らしながら、もう一度空を見上げる。
こんな時間が訪れることは、きっともう二度と無い。
『おにいちゃん』
自分のブランコを降りた美弥が、膝の上に乗ってきた。
その美弥を乗せたままブランコをこぎながら、それでももし許されるものならば、
いつかこんなところに住めたらいいと、想いを巡らせた。
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