忍者ブログ


×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。








『 もうひとりのよっくん 03 』≪≪    ≫≫『 もうひとりのよっくん 01 』   
おまけIndex


「兄さん、高田のおじいちゃんのお通夜のことなんですが………」
 廊下で呼び止められて、義弘は振り返った。
 今日は父親が終日外出中のため、急遽義明に応援を頼んだのだ。
 僧衣姿の弟は、てきぱきとこれからの段取りを決めていく。
「わかりました。ではそのように伝えておきます」
 まるで敏腕秘書のような口調でそう言って踵を返した弟を、義弘は
呼び止めた。
「義明」
───はい?」
 振り返った弟は、自分などよりも断然貫禄があるように思える。
「悪いな、いつも」
 本来ならこういう場合、自分が全てを取り仕切るべきだろう。
 なのにいつも、助けてもらうばかりだ。
「世話をかけて、すまないと思ってる」
 それを聞いた弟は、少し黙ったあとで、
「………家族でしょう?」
 そう言って、目配せをした。
PR







『 もうひとりのよっくん 03 』≪≪    ≫≫『 もうひとりのよっくん 01 』   
おまけIndex

 月別 一覧

        










 忍者ブログ [PR]