「兄さん、高田のおじいちゃんのお通夜のことなんですが………」
廊下で呼び止められて、義弘は振り返った。
今日は父親が終日外出中のため、急遽義明に応援を頼んだのだ。
僧衣姿の弟は、てきぱきとこれからの段取りを決めていく。
「わかりました。ではそのように伝えておきます」
まるで敏腕秘書のような口調でそう言って踵を返した弟を、義弘は
呼び止めた。
「義明」
「───はい?」
振り返った弟は、自分などよりも断然貫禄があるように思える。
「悪いな、いつも」
本来ならこういう場合、自分が全てを取り仕切るべきだろう。
なのにいつも、助けてもらうばかりだ。
「世話をかけて、すまないと思ってる」
それを聞いた弟は、少し黙ったあとで、
「………家族でしょう?」
そう言って、目配せをした。
廊下で呼び止められて、義弘は振り返った。
今日は父親が終日外出中のため、急遽義明に応援を頼んだのだ。
僧衣姿の弟は、てきぱきとこれからの段取りを決めていく。
「わかりました。ではそのように伝えておきます」
まるで敏腕秘書のような口調でそう言って踵を返した弟を、義弘は
呼び止めた。
「義明」
「───はい?」
振り返った弟は、自分などよりも断然貫禄があるように思える。
「悪いな、いつも」
本来ならこういう場合、自分が全てを取り仕切るべきだろう。
なのにいつも、助けてもらうばかりだ。
「世話をかけて、すまないと思ってる」
それを聞いた弟は、少し黙ったあとで、
「………家族でしょう?」
そう言って、目配せをした。
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