こうやって距離を置いて遠くから眺めていると、高耶はまるで
手の届かないひとのように思えてくる。
壇上から一言発するだけで、これだけの大人数の視線を奪って
逸らさせないカリスマ性。
高耶の言葉のひとつひとつが直江の胸に迫る力を持っていて、
きっと誰もが同じように感じているのだと思うと、息苦しさでいても
たってもいられなくなる。
彼は本当に自分のよく知るあの高耶なのだろうか。
四百年もの間、ともに歩んできたあの景虎なのだろうか。
早く傍らに行きたいと切に思う。
今、嶺次郎や兵頭のいるあの壇上脇の場所。
手を伸ばせばすぐ彼に届きそうなあの距離に、早く立ちたい。
烈命星奪還を第一に考えるのならば高耶と離れている時間の多い
今のポジションはかなり好都合なのだが、いま遊撃隊に入れてやると
言われれば喜んで飛びついてしまいそうだ。
無益な独占欲。
けれど自分という男の最深部からじわりじわりと伝わってくる
この感情が、最良燃費のエネルギーであることもちゃんとわかっている。
今は燃料を蓄えて、静かに待つときだ。
少しでも火種があればすぐにでも大爆発を起こしてしまいそうな
危険物を制御するために、直江は静かに眼を閉じた。
手の届かないひとのように思えてくる。
壇上から一言発するだけで、これだけの大人数の視線を奪って
逸らさせないカリスマ性。
高耶の言葉のひとつひとつが直江の胸に迫る力を持っていて、
きっと誰もが同じように感じているのだと思うと、息苦しさでいても
たってもいられなくなる。
彼は本当に自分のよく知るあの高耶なのだろうか。
四百年もの間、ともに歩んできたあの景虎なのだろうか。
早く傍らに行きたいと切に思う。
今、嶺次郎や兵頭のいるあの壇上脇の場所。
手を伸ばせばすぐ彼に届きそうなあの距離に、早く立ちたい。
烈命星奪還を第一に考えるのならば高耶と離れている時間の多い
今のポジションはかなり好都合なのだが、いま遊撃隊に入れてやると
言われれば喜んで飛びついてしまいそうだ。
無益な独占欲。
けれど自分という男の最深部からじわりじわりと伝わってくる
この感情が、最良燃費のエネルギーであることもちゃんとわかっている。
今は燃料を蓄えて、静かに待つときだ。
少しでも火種があればすぐにでも大爆発を起こしてしまいそうな
危険物を制御するために、直江は静かに眼を閉じた。
PR
月別 一覧