高耶が泣いている。
まだとても小さくて、たぶん4つか5つくらいの高耶が泣いている。
大声で喚きながらではなく、しくしくと悲しみに耐えながら泣いている。
その様子があまりにもいじらしくて、直江は高耶を抱き上げた。
───どうしたの?
そう、尋ねると、
───どうもしない
小さかったはずの高耶は、いつのまにか今の高校生の高耶になっていた。
挑戦的な目付きで直江の首に腕を巻きつけてくる。
しかも、何故か全裸だ。
「た……っ、たかやさんっ!」
直江が慌てて引き剥がそうとしても、手足が絡みついてきて引き剥がせない。
───直江
───離れてくださ……っ!
───なおえ
───高耶……さん……
「なーおーえ」
「!」
そこで、はっと目が覚めた。
直江のベッドの傍らにには、不思議そうな顔をした高耶が立っている。
「大丈夫かよ」
カーテンの隙間から、朝の光が漏れていた。
「めずらしいな、オレのほうが先に起きるなんて」
そういいながら高耶は、寝巻きを脱ぎだしている。
「今日はどこ行くんだっけ?」
「───……」
直江は、問いかけてくる高耶をぼーっと眺めてしまった。
なんであんな夢を見たのだろうか。
昨日の夕食の時、高耶の小さい頃の話なんて聞いてしまったからだろうか。
「直江?」
着替えを終えた高耶が顔を覗き込んできた。
「まだねぼけてんのかよ。オレ、腹減ってんだけど」
その一言で、直江の頭は急速に現実へと戻っていく。
笑顔を浮かべると、
「じゃあ、朝食にしましょう」
そう言って、立ち上がった。
まだとても小さくて、たぶん4つか5つくらいの高耶が泣いている。
大声で喚きながらではなく、しくしくと悲しみに耐えながら泣いている。
その様子があまりにもいじらしくて、直江は高耶を抱き上げた。
───どうしたの?
そう、尋ねると、
───どうもしない
小さかったはずの高耶は、いつのまにか今の高校生の高耶になっていた。
挑戦的な目付きで直江の首に腕を巻きつけてくる。
しかも、何故か全裸だ。
「た……っ、たかやさんっ!」
直江が慌てて引き剥がそうとしても、手足が絡みついてきて引き剥がせない。
───直江
───離れてくださ……っ!
───なおえ
───高耶……さん……
「なーおーえ」
「!」
そこで、はっと目が覚めた。
直江のベッドの傍らにには、不思議そうな顔をした高耶が立っている。
「大丈夫かよ」
カーテンの隙間から、朝の光が漏れていた。
「めずらしいな、オレのほうが先に起きるなんて」
そういいながら高耶は、寝巻きを脱ぎだしている。
「今日はどこ行くんだっけ?」
「───……」
直江は、問いかけてくる高耶をぼーっと眺めてしまった。
なんであんな夢を見たのだろうか。
昨日の夕食の時、高耶の小さい頃の話なんて聞いてしまったからだろうか。
「直江?」
着替えを終えた高耶が顔を覗き込んできた。
「まだねぼけてんのかよ。オレ、腹減ってんだけど」
その一言で、直江の頭は急速に現実へと戻っていく。
笑顔を浮かべると、
「じゃあ、朝食にしましょう」
そう言って、立ち上がった。
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