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『 洗濯班 02 』≪≪    ≫≫『 17歳 』   
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 現代には、おもしろい勝負のつけ方がある。
「じゃ~~んけ~~んぽん!!」
 アジトの中の洗濯機やら乾燥機やらがずらりと並ぶ一室で、白い作業服を着た男たちが勝負の行方に一喜一憂していた。
「おっしゃあああっ!!」
「があ~~~~~っ!!やられたちや!!」
 実は彼らはアジト内のクリーニングを一手に任されている『洗濯班』だ。
 少し前までは隊士たちが各々好きなタイミングで洗濯をしていたのだが、それではあまりに効率が悪いということになり、つい最近、洗濯は全て彼ら『洗濯班』の手に任されるようになった。
 最初は彼らも、いきなり洗濯係などに任命されて少し卑屈になっていた時期もあったのだが、しばらくしてある特権があることに気付く。
 あの"仰木高耶"の汚れものを洗い、乾かし、本人に直接私に行くことができるのだ。
 今彼らが行っていたじゃんけん騒ぎは、洗いあがった洗濯ものを高耶の元へ届ける役を決めるためのものだった。
「ほいたら、行ってくるき!」
 幸福な役目を勝ち取った元一両具足の筋金入り隊士が服の入った袋を持ち上げると、第二次大戦中に亡くなったという比較的若い隊士があることに気付く。
「………あれ、あんた、前回んときも持ってかなかったっけ?」
───チッ。気付きよったか」
「おまんっ……!二回連続はいかん決まりじゃろうが!」
「おーい!こいつ前回んときも持ってってるって!」
「なにぃ!?ほいたら仕切りなおしじゃ!」
 再び集まった10人にも満たない白い作業服の男たちの熱気は、アイロンの熱にも負けないものがあった。
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