高耶が会うなり、左胸に触れてきた。
一瞬どきりとしたが、勝手に内ポケットからタバコを取り出される。
「中川に怒られますよ」
あの男はタバコのにおいに敏感です、と実感を込めて言うと、高耶は笑った。
「怒られてんのか」
「ええ、いつも」
「まるで先公だな」
煙草を燻らせる高耶の仕草は、なんだかとても懐かしい。
「おいしいですか」
そう聞くと、何を思ったのか高耶は、
「おまえの味だ」
と、言った。
「───……?」
具体的にどこのだろう、などと考えていたらすぐに返事が出来なくて、妙な間が生まれてしまう。
「で、おいしいんですか?」
「………知るかよ」
向こうを向いてしまった高耶の頬は、少し赤く見えた。
しばらく経ってから。
「別にまずくはねーよ」
と、フォローしてくれた。
「……どうも」
相変わらずそっぽを向いたままの高耶に、直江は苦笑いを浮かべた。
一瞬どきりとしたが、勝手に内ポケットからタバコを取り出される。
「中川に怒られますよ」
あの男はタバコのにおいに敏感です、と実感を込めて言うと、高耶は笑った。
「怒られてんのか」
「ええ、いつも」
「まるで先公だな」
煙草を燻らせる高耶の仕草は、なんだかとても懐かしい。
「おいしいですか」
そう聞くと、何を思ったのか高耶は、
「おまえの味だ」
と、言った。
「───……?」
具体的にどこのだろう、などと考えていたらすぐに返事が出来なくて、妙な間が生まれてしまう。
「で、おいしいんですか?」
「………知るかよ」
向こうを向いてしまった高耶の頬は、少し赤く見えた。
しばらく経ってから。
「別にまずくはねーよ」
と、フォローしてくれた。
「……どうも」
相変わらずそっぽを向いたままの高耶に、直江は苦笑いを浮かべた。
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