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『 抱き癖 』≪≪    ≫≫『 よっくん 08 』   
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 驚いたものだから、表情に出てしまったらしい。
「なんだ」
 高耶が訝しげに聞いてくる。
「いえ」
 打ち合わせ中の話題にしてはあまりにも場違いな内容だったので、声をひそめて言う。
「背、また伸びました?」
 高耶の顔はあからさまに、何だ、そんなことかと言っている。
「んな訳ねーだろ。お前が縮んだんじゃねーの」
「………年寄り扱いはよしてください」
 高耶は楽しそうに笑った。
それでもまだ直江が隣に立って背を比べたりしているものだから、
「心配しなくても、お前を追い越したりはしねーよ」
 書類に何かを書きつけながら高耶はそう言った。
 そこまでは考えていなかったが、高耶がそう言うならそう思うことにしよう。
「そうですね。あなたが私より大きくなったら、何かと不便でしょうね」
 特に、"そういう"時に。
 高耶は直江の心中が読めるのか、馬鹿にしたような表情で返事すらしない。
 わざとらしく、
「どんな場合に不便なのか具体的に説明しましょうか」
と言うと、くい気味にいい、と答えが返ってきた。
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