「はあああぁぁぁぁ~~~~~」
潮が、大げさな身振りで目の前に置かれた小石を《力》で動かそうとしている。
声を出せばいいってものでもないのだが、あんまり言ってもアレなので放っておいた。
他にも数人、新入りの隊士たちが《力》の訓練を夢中になってやっている。
高耶もやるように言われてはいるが、お目付役の隊士がいないのをいいことに、新入りの輪から外れてそれを眺めていた。
遠い昔、千秋のアパートで似たようなことをやらされた記憶がある。
懐かしく思いつつも、付随して色々なことを思い出してしまい、気が重くなった。
「寒い中ようやりゆう……」
気がつくと、すぐ隣に嶺次郎が銜え煙草で立っていた。
久しく嗅いでいなかった匂いに、やはり昔の記憶が刺激される。
昔はよく、隠れて吸ったものだ。
「くれよ」
そう言うと、嶺次郎はおっという顔をした。
「草間さんにはクサいちゅうて嫌がられちょる」
仲間が出来たとばかりに、嬉しそうに差し出してきた。
「───……」
肺の中に煙を吸い込むと、久しぶりの煙草はやはり懐かしい味がした。
潮が、大げさな身振りで目の前に置かれた小石を《力》で動かそうとしている。
声を出せばいいってものでもないのだが、あんまり言ってもアレなので放っておいた。
他にも数人、新入りの隊士たちが《力》の訓練を夢中になってやっている。
高耶もやるように言われてはいるが、お目付役の隊士がいないのをいいことに、新入りの輪から外れてそれを眺めていた。
遠い昔、千秋のアパートで似たようなことをやらされた記憶がある。
懐かしく思いつつも、付随して色々なことを思い出してしまい、気が重くなった。
「寒い中ようやりゆう……」
気がつくと、すぐ隣に嶺次郎が銜え煙草で立っていた。
久しく嗅いでいなかった匂いに、やはり昔の記憶が刺激される。
昔はよく、隠れて吸ったものだ。
「くれよ」
そう言うと、嶺次郎はおっという顔をした。
「草間さんにはクサいちゅうて嫌がられちょる」
仲間が出来たとばかりに、嬉しそうに差し出してきた。
「───……」
肺の中に煙を吸い込むと、久しぶりの煙草はやはり懐かしい味がした。
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