「今夜くらいはあなたを予約してもいいでしょう?」
アジトの廊下で高耶を呼び止めた直江は、肩に触れながら言った。
「………人が来る」
でも高耶は置かれた手を振り払わない。
調子に乗った直江は高耶の耳元で言う。
「今夜は余裕のないあなたを見てみたい」
「……それはいつもだろ」
高耶は俯いたまま小さく笑っている。
「じゃあ今日はクリスマスバージョンで」
「赤い服着て白いひげでもつけろって?」
「服は余計ですよ。脱がないと」
「ハダカのサンタかよ。ぞっとしねえな」
「……あなたの名前を書いた紙を、吊るした靴下の中に入れておいたら、あなたを貰えるんですかね」
それ聞いて、高耶は顔を上げた。
まるで挑発するような目つきで直江の胸元を掴んで引き寄せると、
「いい子にしてたらな」
と囁く。思わず目を瞠った直江をぐいと突き放すと、再び歩き出した。
「───私ほどのいい子はいないでしょう?」
遠ざかる背中にそう投げかけると、高耶は立ち止まってちょっと考えてから、
「宇宙史上、最悪の男だろ」
と言って振り返りもせずに去っていった。
"宇宙史上"ときたかと、直江も苦笑いで踵を返した。
アジトの廊下で高耶を呼び止めた直江は、肩に触れながら言った。
「………人が来る」
でも高耶は置かれた手を振り払わない。
調子に乗った直江は高耶の耳元で言う。
「今夜は余裕のないあなたを見てみたい」
「……それはいつもだろ」
高耶は俯いたまま小さく笑っている。
「じゃあ今日はクリスマスバージョンで」
「赤い服着て白いひげでもつけろって?」
「服は余計ですよ。脱がないと」
「ハダカのサンタかよ。ぞっとしねえな」
「……あなたの名前を書いた紙を、吊るした靴下の中に入れておいたら、あなたを貰えるんですかね」
それ聞いて、高耶は顔を上げた。
まるで挑発するような目つきで直江の胸元を掴んで引き寄せると、
「いい子にしてたらな」
と囁く。思わず目を瞠った直江をぐいと突き放すと、再び歩き出した。
「───私ほどのいい子はいないでしょう?」
遠ざかる背中にそう投げかけると、高耶は立ち止まってちょっと考えてから、
「宇宙史上、最悪の男だろ」
と言って振り返りもせずに去っていった。
"宇宙史上"ときたかと、直江も苦笑いで踵を返した。
PR
『 「1月度web拍手お礼Text」の続き 』≪≪ ≫≫『 クリスマス 01 』
月別 一覧