「もう、やめてくれ……」
高耶が弱々しく呟いた。
目尻には涙が滲んでいて、その言葉が嘘ではないのだとわかる。
けれど、上がった呼吸もきつく寄せられた眉根も、決して直江の行為がただ不快なだけではないことを物語っている。
「そんなに男とするのが怖いんですか」
そう言いながら、直江はそうじゃないこともわかっている。ただ純粋な性欲だけだったら、もしかしたら高耶はとっくに陥落していたのかもしれない。直江がこの行為に別の理由を持たせているからこそ、高耶は絶対に先へ進んではいけないと思っている。
これだけ近い距離で、互いに欲情していることがわかっていても、制止の声を上げなくてはならないのだ。
「たのむから……」
高耶はまた、涙声で言った。
それが例え一線を越えたくないという意思表示にも似た演技だとしても、直江は無視して前へ進むことが出来ない。それが愛情から来るものなのか、罪悪感からくるものなのかは直江にもわからない。ただ単に高耶との関係をこれ以上抉らせたくないという自己保身からくるものなのかもしれない。
押し寄せてくる欲情を深呼吸で散らしながら、直江は高耶の乱れた衣服を整えてやるしかなかった。
高耶が弱々しく呟いた。
目尻には涙が滲んでいて、その言葉が嘘ではないのだとわかる。
けれど、上がった呼吸もきつく寄せられた眉根も、決して直江の行為がただ不快なだけではないことを物語っている。
「そんなに男とするのが怖いんですか」
そう言いながら、直江はそうじゃないこともわかっている。ただ純粋な性欲だけだったら、もしかしたら高耶はとっくに陥落していたのかもしれない。直江がこの行為に別の理由を持たせているからこそ、高耶は絶対に先へ進んではいけないと思っている。
これだけ近い距離で、互いに欲情していることがわかっていても、制止の声を上げなくてはならないのだ。
「たのむから……」
高耶はまた、涙声で言った。
それが例え一線を越えたくないという意思表示にも似た演技だとしても、直江は無視して前へ進むことが出来ない。それが愛情から来るものなのか、罪悪感からくるものなのかは直江にもわからない。ただ単に高耶との関係をこれ以上抉らせたくないという自己保身からくるものなのかもしれない。
押し寄せてくる欲情を深呼吸で散らしながら、直江は高耶の乱れた衣服を整えてやるしかなかった。
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