誰も使っていないはずの会議室から女性の声が聞こえて、不審に思った
高耶は扉をガラリと開けた。
「げっ!!」
「とめろって!はやくっ!」
慌てふためいてなにやらリモコンを操作しているのは、潮や楢崎を筆頭と
したいつもの問題児たちだ。
「なんだ、仰木かあ」
振り返った潮がほっとしたように言って、後ろ手に隠していたものを
高耶にみせる。
「お前も観るだろ、コレ」
それはアダルトDVDのパッケージだった。
「再生しますよ!」
二人の会話など待ってられないとばかりに楢崎がボタンを押すと、再び
映像が流れ始める。
「うわぁ……」
「現代人はものすごいのう……」
食い入るようにして画面を見つめる男達の姿に、高耶はため息をついた。
「おまえら……」
馬鹿なやつらは放っておこう、と部屋を出て行きかける。
ところが部屋の隅っこに、あってはならない姿を見つけてしまった。
「う、卯太郎っ!なにやってるんだ!」
ポーっとのぼせた顔で立っている卯太郎の鼻からは、大量の血液がぽたぽたと
流れ出ている。
「こら、観るな!目を閉じろ、目を!」
慌てて後ろを向かせると、卯太郎はぐったりなって寄りかかってきた。
服に染み込んだ血の量からみても、かなり失血が酷そうだ。
「AV観て失血死なんてやめてくれよ」
「はい……すびばせん」
医務室へ行こう、と促すと、止まらない鼻血を手で押さえながら、卯太郎は
名残惜しそうに画面を振り返りつつ歩き出した。
高耶は扉をガラリと開けた。
「げっ!!」
「とめろって!はやくっ!」
慌てふためいてなにやらリモコンを操作しているのは、潮や楢崎を筆頭と
したいつもの問題児たちだ。
「なんだ、仰木かあ」
振り返った潮がほっとしたように言って、後ろ手に隠していたものを
高耶にみせる。
「お前も観るだろ、コレ」
それはアダルトDVDのパッケージだった。
「再生しますよ!」
二人の会話など待ってられないとばかりに楢崎がボタンを押すと、再び
映像が流れ始める。
「うわぁ……」
「現代人はものすごいのう……」
食い入るようにして画面を見つめる男達の姿に、高耶はため息をついた。
「おまえら……」
馬鹿なやつらは放っておこう、と部屋を出て行きかける。
ところが部屋の隅っこに、あってはならない姿を見つけてしまった。
「う、卯太郎っ!なにやってるんだ!」
ポーっとのぼせた顔で立っている卯太郎の鼻からは、大量の血液がぽたぽたと
流れ出ている。
「こら、観るな!目を閉じろ、目を!」
慌てて後ろを向かせると、卯太郎はぐったりなって寄りかかってきた。
服に染み込んだ血の量からみても、かなり失血が酷そうだ。
「AV観て失血死なんてやめてくれよ」
「はい……すびばせん」
医務室へ行こう、と促すと、止まらない鼻血を手で押さえながら、卯太郎は
名残惜しそうに画面を振り返りつつ歩き出した。
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