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『 酔っ払い 』≪≪    ≫≫『 ブランコ 02 』   
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  そ、と、に、で、て

 待ち合わせ場所の喫茶店で待っていると、高校の制服姿の綾子が表通りから
ガラス越しにジェスチャーで伝えてきた。
 直江は仕方なく会計を済ませてから外に出る。
「なんだ」
 久しぶりに会った綾子は、髪を少し切っていた。
「こんなとこで待ち合わせたりしたら、援交だと思われちゃうわよ」
「………何故"援助"をつける。普通の交際だと思うかもしれないだろう」
 まあ綾子と自分の歳なら、それでも犯罪になってしまうのだが。
 直江の言葉に目をぱちくりさせた後で、綾子はうーんと小首をかしげて言った。
「それもイヤ」
「……………」
 こっちのセリフだと言いたい。
「ね、それより早く行きましょう」
 昼食はホテルのバイキングで、と綾子が勝手に手配してしまったのだそうだ。
 自分で金を出すわけでもないくせに。
 綾子の直江をひっぱろうとする腕が絡まってきて、これではどうみても恋人同士だ。
 いったい何がイヤで何がイイのか、全く理解できない。
 せめてふたりで会うときだけは私服で来て欲しい、と思う直江だった。
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