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『 呼び方 』≪≪    ≫≫『 紅しょうが 』   
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『ア、ア、ア、ア』
 高耶の声がだんたん高くなってきて、終わりが近いことが直江にはわかる。
 少し顔を近づけただけで、高耶の方から直江の唇に吸い付いてきた。
『ンッ──……、ンンンッ、ンンッ』
 妖しく揺れだす高耶の腰を押しとどめて、性器の根元をキツく掴む。
『ック……!』
『まだ駄目』
 直江の意地悪を、高耶は苦悶の声と愉悦の表情で受け入れる───………
「橘!!」
「……はい?」
 目の前の場面が一瞬にして会議室へと変わった。
 たった今、イきかけていたはずの人物が、壇上から怒りの視線を投げつけてくる。
「何ぼやっとしてる!聞いてるのか!?」
「いえ、聞いていませんでした……」
「ったく、何考えてんだ!」
 怒鳴り散らしても高耶の怒りは収まらない。
 直江が他の隊士たちを見ると、下を向いたまま黙りこくっている。
 これでは意見が揃わずに滞っていた会議が、ますます萎縮するだけだ。
 だから、釘を刺すつもりで言った。
「何を考えていたか、話して聞かせましょうか?」
 その言葉を聞いて、高耶は何と思ったのだろう。
「……………いい」
 やっぱり怒り気味に言って、ダレきった会議室を見渡した。
 もう三時間は軍議が続いている。
「少し、休憩にする」
 大げさなため息とともに告げると会議室が安堵の吐息に包まれたから、
10分だけだぞ!、と高耶は念を押した。
 そして。
「橘、ちょっと来い」
 怒りの表情で、直江に別室に来るように言う。
 直江は高耶に返事をしながら、いまこの状態の自分を呼び出して、10分後またここに
戻れるつもりでいるのかと、高耶の自分に対する認識の甘さを改めて痛感した。
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