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『 よっくん 07 』≪≪    ≫≫『 よっくん 05 』   
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 照弘が帰宅すると、母親が物干し竿の元でうずくまっていた。
 どうやら洗濯物を取り入れている最中のようで、具合でも悪くなったかと慌てて傍へ
寄ってみて、泣いているのだとわかった。
 だから、何も言わずにその場を去った。
 ここ数年、弟のことで泣く母を何度見たことだろう。
 それでも弟を責める気になれないのは、誰よりも弟自身が苦しんでいるとわかるからだ。
 照弘は、弟の部屋の前までやってきて立ち止まる。
 自分だってこうして襖に手を掛けて、自分に出来ることなど何もないのではないかと自問自答したことは、一度や二度ではない。
 それでも何かをせずにいられないのは、やはり自分が弟を愛しているからだ。
 例え否定されようと罵られようと(弟はそんなことは絶対にしないが)どうせ自分は弟を憎むことなど出来ない。
「義明、入るぞ」
 照弘は心に気合をいれて、襖を滑らせた。
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