飯ごうを持って準備へと走る潮の浮かれようを見ていて、ふと誰かの姿と重なった。
(オレ……か……?)
そういえば昔、松本市内のキャンプ場へ出掛けたことがあった。
きっかけは、美弥がキャンプに行った事がないと言い出したことだった。
実は美弥は、ちゃんと泊りがけのキャンプにも行ったことがあったけど、あまりにも小さかった為にそれを覚えていなかったのだ。
それを聞きつけた千秋が、妙に張り切って色々と準備をし、譲も誘って日帰りで出掛ける計画となった。
しかも千秋が"俺様の車に野郎は乗せない"とか言い出して、譲と自分を乗せるために直江まで呼びつけた。
結局は美弥も直江の車で現地へと向かったのだが、あの時、美弥よりも自分のほうがよっぽどテンションが高かった気がする。
直江が、こんなことのためにわざわざ車を出してくれたことが嬉しかったのも、その原因のひとつだったと思う。
直江はそんな自分を見て、どう思っていたのだろう。
微笑ましいとか、子供っぽいとか思っていたのだろうか。
それとも、自分の無邪気な信頼を感じ取って、罪悪感に息を詰まらせていたのだろうか。
「おうぎ~!」
脳裏にぼんやりと描いたあの頃の自分の姿は、潮の大声にかき消された。
(オレ……か……?)
そういえば昔、松本市内のキャンプ場へ出掛けたことがあった。
きっかけは、美弥がキャンプに行った事がないと言い出したことだった。
実は美弥は、ちゃんと泊りがけのキャンプにも行ったことがあったけど、あまりにも小さかった為にそれを覚えていなかったのだ。
それを聞きつけた千秋が、妙に張り切って色々と準備をし、譲も誘って日帰りで出掛ける計画となった。
しかも千秋が"俺様の車に野郎は乗せない"とか言い出して、譲と自分を乗せるために直江まで呼びつけた。
結局は美弥も直江の車で現地へと向かったのだが、あの時、美弥よりも自分のほうがよっぽどテンションが高かった気がする。
直江が、こんなことのためにわざわざ車を出してくれたことが嬉しかったのも、その原因のひとつだったと思う。
直江はそんな自分を見て、どう思っていたのだろう。
微笑ましいとか、子供っぽいとか思っていたのだろうか。
それとも、自分の無邪気な信頼を感じ取って、罪悪感に息を詰まらせていたのだろうか。
「おうぎ~!」
脳裏にぼんやりと描いたあの頃の自分の姿は、潮の大声にかき消された。
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