昼を過ぎたあたりから空がどんよりと曇り、風も強くなってきた。
「台風、来てるらしーな」
助手席の高耶が、パワーウィンドウのスイッチを押して少しだけ窓を開ける。
「ワクワクしてるでしょう」
あまりにわかりやすいものだから、口元が笑ってしまった。
「してねーって。不謹慎だろ」
車内に吹き込んでくる生暖かい風が、高耶の黒髪を存分に乱す。
さらさらと音の聴こえてきそうな前髪の動きや、
普段はあまり目にすることのできない滑らかな額に、ついつい視線を奪われる。
「気圧の変化が自律神経に影響するという説もあるそうですから」
右折するべく点灯させたウィンカーの音が、カチッカチッと車内に響いた。
「……どうせガキだよ」
拗ねたように、高耶が白状したので、
「繊細なんですよ、きっと」
と、フォローしてみた。
「台風、来てるらしーな」
助手席の高耶が、パワーウィンドウのスイッチを押して少しだけ窓を開ける。
「ワクワクしてるでしょう」
あまりにわかりやすいものだから、口元が笑ってしまった。
「してねーって。不謹慎だろ」
車内に吹き込んでくる生暖かい風が、高耶の黒髪を存分に乱す。
さらさらと音の聴こえてきそうな前髪の動きや、
普段はあまり目にすることのできない滑らかな額に、ついつい視線を奪われる。
「気圧の変化が自律神経に影響するという説もあるそうですから」
右折するべく点灯させたウィンカーの音が、カチッカチッと車内に響いた。
「……どうせガキだよ」
拗ねたように、高耶が白状したので、
「繊細なんですよ、きっと」
と、フォローしてみた。
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