「景虎様……」
そう呼びかけると、すっかり陶酔しきっていた高耶は一瞬我に帰ったような顔をして首を振った。
情事の時にはあまり呼ばれることのない名に、違和感を覚えたようだ。
「その名前で呼ぶな
───ッンンッ!」
構わずに更に腰をたたきつけると、悲鳴を上げながら睨みつけてくる。
虎の瞳。
「……そんな眼でみても駄目。余計に燃えるだけですよ」
直江が眼を細めると、高耶は侮蔑の笑みを浮かべた。
「ヘンタイ」
「……あなたもね、景虎様」
「ッ
──……!」
その後直江がその名を呼ぶ度に、高耶の悲鳴は一段と高くなった。
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