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『 直江様 』≪≪    ≫≫『 千秋様 』   
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「恐怖の消しゴム?」
「これ」
 譲は、高耶に向かってティッシュに包んだ消しゴムをそっと差し出した。
 その隣で、矢崎がぶるぶると震えている。
「便器の中に落としちゃったからゴミ箱に捨てたらしいんだけど、必ず矢崎のところに戻ってくるんだって」
 どうしたら消しゴムを便器の中に落とせるのか疑問に思いながら、高耶は消しゴムに視線を落とした。
「そりゃあ、こんだけでっかく名前が書いてあればなあ」
 比較的大きなその消しゴムには、矢崎の汚い字で学年にクラス名、名前がでかでかと書かれている。
「花壇の植え込みに捨てても、窓から校庭に向かって思いっきしなげても駄目なんだ」
「ゴミをそんな風にすんじゃねーよ」
 高耶にしてはずいぶんまともなことを口にしながら、
「学校の外で捨ててみろよ。したら戻ってこねーって」
「……お祓い、してもらえないかなあ」
「譲、お前なあ」
「お経唱えて貰うだけでも、違うと思うんだけどなあ」
「頼む!」
「……千秋"様"に頼めば?」
「あ、そっか。千秋様もできるんだ」
「千秋様っ!!!」
 矢崎は必死の形相で、千秋の元へと走り寄った。
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