「仰木ぃ、お前どうすんの」
「何が」
「進路だよ、進路」
矢崎が身を乗り出して聞いてきた。
「夏休み明けに聞かれるらしいぜ、どうすんのか」
「へぇ……」
「俺、東京いこっかなあ」
「は?店は?」
「うーん……ちょっと、な」
言葉を濁してから、矢崎は譲に話を振った。
「成田は地元だろ」
松本には有名な歯科大学があるのだ。
「まだわかんないよー」
譲が首を傾げながら答える。
「でも東京とか関西の学校も、一通り調べてあるよ」
「ああ……関西でもいいかなあ」
矢崎はどうしても家を出るつもりでいるらしい。
高耶だって卒業したら、松本なんかには居たくない。
就職するなら、都会がいいと思う。
けど、美弥をひとりにするわけにもいかないし……。
「あ、今日信州食堂サービスデーじゃねえ?」
考え込んでいたはずの矢崎が、なんの脈絡もなく言った。
「ほんとだ。火曜だ。寄ってく?」
すぐに話題をそちらへ移してしまったふたりをみながら、今度は高耶が考え込む番だった。
「何が」
「進路だよ、進路」
矢崎が身を乗り出して聞いてきた。
「夏休み明けに聞かれるらしいぜ、どうすんのか」
「へぇ……」
「俺、東京いこっかなあ」
「は?店は?」
「うーん……ちょっと、な」
言葉を濁してから、矢崎は譲に話を振った。
「成田は地元だろ」
松本には有名な歯科大学があるのだ。
「まだわかんないよー」
譲が首を傾げながら答える。
「でも東京とか関西の学校も、一通り調べてあるよ」
「ああ……関西でもいいかなあ」
矢崎はどうしても家を出るつもりでいるらしい。
高耶だって卒業したら、松本なんかには居たくない。
就職するなら、都会がいいと思う。
けど、美弥をひとりにするわけにもいかないし……。
「あ、今日信州食堂サービスデーじゃねえ?」
考え込んでいたはずの矢崎が、なんの脈絡もなく言った。
「ほんとだ。火曜だ。寄ってく?」
すぐに話題をそちらへ移してしまったふたりをみながら、今度は高耶が考え込む番だった。
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