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『 キャンプ 05 』≪≪    ≫≫『 キャンプ 03 』   
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「こんな空気のうまいとこ来てまでタバコかよ」
 声に驚いて振り返ると、高耶が立っていた。
「って、譲なら言うぜ」
 夜空には数え切れないほどの星が光っている。
 直江はそれらを眺めながら、優雅に一服中だったのだ。
「美弥さんは」
「ぐっすり。はしゃぎすぎて疲れたんだろ」
 高耶は直江の吸いかけのタバコをとりあげると、口に銜えた。
「ガキの頃、よくキャンプごっこしてた」
 注意しようと口を開きかけた直江は、いきなり始まった高耶の昔話を邪魔したくなくて口を噤んだ。
「美弥の友達が休みっていうとキャンプに行くから、自分も行きたいって言い出してさ。もちろん行けるわけねーじゃん?」
 きっと、家庭内が荒れに荒れていた時期の話なのだろう。
「だから家で作ったカレー持って、公園行ってさ。レジャーシートでテント作って」
「楽しそうですね」
「いま思えばな。でも当時はみじめでしょうがなかった」
 直江は灰の落ちかけたタバコを高耶の手から取り上げると、簡易灰皿の中へと突っ込んだ。
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