観光客でにぎわう雑貨屋で美弥に小さな小物入れを買った後、食料品店でしきりに気にしていた少々値段の貼るごま油を直江に買って貰って、高耶は満足したようだ。
「さすがに昼食にはまだ早いですねえ」
直江が腕時計を見ながら言うと、
「え、オレはいつでもオッケーだけど」
と、高耶がお腹をさするから、直江は思わず吹き出した。
結局もうちょっと陽が高くなってから、ということになり、ふたりは目的もなくブラブラと歩き出す。
「死人の面倒見る前に、もっとすることあるよなあ」
ぽつりと高耶が呟いた。
「例えば?」
「友達の悩みをきいてやるとか」
「え?」
高耶のキャラにない発言に、思わず直江は耳を疑った。
「オレのまわりにだって、あいつみたいに早まって馬鹿な真似するやつがいないとも限らないだろ」
高耶は真面目な顔で話している。
「だからってあなたに相談ごとですか」
直江が茶化すと、
「うるせーなー」
高耶は自分でも解っていたらしく、
「ま、譲みたいのがいなくなったら、世の中終わりだな、きっと」
と腕組みで頷いている。友人たちの相談役は、成田譲に託す気になったようだ。
「そうですね」
確かにあの譲なら、親身になって話を聞いてくれそうだ。
「オレとかおまえみたいのばっかになったら、自殺者で電車止まりまくりだな」
「………一緒にしないでください」
電車の中では褒めてくれたはずなのに、今度は何故かヤンキー高校生と一緒にされてしまった。
直江は眉を上げながら、そのことに対して抗議をする。高耶は笑ってそれを受け止めた。
異国情緒溢れる町中を、ふたりはしばらくの間、ゆっくりと歩き続けた。
「さすがに昼食にはまだ早いですねえ」
直江が腕時計を見ながら言うと、
「え、オレはいつでもオッケーだけど」
と、高耶がお腹をさするから、直江は思わず吹き出した。
結局もうちょっと陽が高くなってから、ということになり、ふたりは目的もなくブラブラと歩き出す。
「死人の面倒見る前に、もっとすることあるよなあ」
ぽつりと高耶が呟いた。
「例えば?」
「友達の悩みをきいてやるとか」
「え?」
高耶のキャラにない発言に、思わず直江は耳を疑った。
「オレのまわりにだって、あいつみたいに早まって馬鹿な真似するやつがいないとも限らないだろ」
高耶は真面目な顔で話している。
「だからってあなたに相談ごとですか」
直江が茶化すと、
「うるせーなー」
高耶は自分でも解っていたらしく、
「ま、譲みたいのがいなくなったら、世の中終わりだな、きっと」
と腕組みで頷いている。友人たちの相談役は、成田譲に託す気になったようだ。
「そうですね」
確かにあの譲なら、親身になって話を聞いてくれそうだ。
「オレとかおまえみたいのばっかになったら、自殺者で電車止まりまくりだな」
「………一緒にしないでください」
電車の中では褒めてくれたはずなのに、今度は何故かヤンキー高校生と一緒にされてしまった。
直江は眉を上げながら、そのことに対して抗議をする。高耶は笑ってそれを受け止めた。
異国情緒溢れる町中を、ふたりはしばらくの間、ゆっくりと歩き続けた。
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