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『 未練 04 』≪≪    ≫≫『 未練 02 』   
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 またしても外が騒がしくて覗きに行ってみると、昨晩の酒盛り組と高耶が口論をしていた。
 寄って行ってしばらく様子を見ていたら、じきに事情が飲み込めた。
 どうやら、この世に未練なんか無いと言い切った少年に、高耶が入隊を認めない、と言ったらしい。
「こいつのご先祖さんは郷士の出やったそうじゃ!」
「敵の捕虜は仲間にするくせに……」
「なんで駄目なんちや!」
 一晩で少年と随分仲良くなったらしい隊士たちは、高耶に不満を訴える。
 それを高耶は一蹴した。
「赤鯨衆隊士は心に資格を持つ。そう決めたのは誰だ?」
「嘉田さんじゃ……」
「この世に残って闘う気なんて更々無いと言い切る人間が、ここにいてもいいと思うのか?」
「……………」
 シュンとした一同を見回して、高耶は大きくため息をついた。
 そして、終始うつむき気味だった少年に眼を向ける。
「その憑坐の人生を奪って生きていくだけの想いがないのなら、あの男に着いて行け」
 突然、直江は指を指された。
 けれど、驚きはしない。
 高耶の意図はよく分かっている。
「……着いていって、僕はどうなるんだ」
 高耶はその質問には答えずに、
「まずは、その憑坐を家に帰す」
と答えた。
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