「私が全てを晒し出せる相手は、世界にたったひとりだけですから」
それを聞いた高耶は、ゆっくりと顔をあげた。
そして、少し考え込んだ後で、
「なら、行かなくていい」
と言った。
「怖いことを、わざわざする必要なんてない」
突き放すような口調で、高耶は言った。
「優しいんですね」
直江が眉を上げながら、そう声をかけると、
「オレも、全てを晒け出せる相手はひとりだけだから」
やっぱり、感情のない、冷たい早口で高耶は言った。
それでやっと、直江も照れ隠しだったのだと気付く。
面倒なひとだ、と内心苦笑しつつ、
「教えてください」
傍へ寄って、そう囁いた。
「その果報者の名を」
そして高耶がその名を告げる前に、唇を塞いでしまった。
それを聞いた高耶は、ゆっくりと顔をあげた。
そして、少し考え込んだ後で、
「なら、行かなくていい」
と言った。
「怖いことを、わざわざする必要なんてない」
突き放すような口調で、高耶は言った。
「優しいんですね」
直江が眉を上げながら、そう声をかけると、
「オレも、全てを晒け出せる相手はひとりだけだから」
やっぱり、感情のない、冷たい早口で高耶は言った。
それでやっと、直江も照れ隠しだったのだと気付く。
面倒なひとだ、と内心苦笑しつつ、
「教えてください」
傍へ寄って、そう囁いた。
「その果報者の名を」
そして高耶がその名を告げる前に、唇を塞いでしまった。
PR
『 c.……不潔だ 』≪≪ ≫≫『 a.他人に肌なんて見せるな 』
月別 一覧