3月14日。
高耶は先程から自宅の電話の前で、立ち尽くしている。
原因は、一ヶ月前に届いた小包だった。
あのとき直江から届いた簡素な段ボール箱は、結局は当時の事件絡みの資料だったのだが、後からすぐ、今度は"直江"名義で美弥と自分宛てに小包が届いた。
ひとつは美弥宛てのチョコレート。
美弥は本当なら自分があげるべきなのにと恐縮しつつも、ペロリと平らげていた。
そして、自分宛ての小包には───。
「……………」
あの後も顔を合わせる機会はあったが、そのことに関しては一切触れなかった。
礼くらいは言うべきだと思っても、いざ直江を目の前にすると言う気になれないのだ。
こんなことでウジウジと悩んでいる自分が、とても癪に障る。
(掛けてしまえば、言うしかなくなる)
高耶は受話器をあげて、番号をまわした。
高耶は先程から自宅の電話の前で、立ち尽くしている。
原因は、一ヶ月前に届いた小包だった。
あのとき直江から届いた簡素な段ボール箱は、結局は当時の事件絡みの資料だったのだが、後からすぐ、今度は"直江"名義で美弥と自分宛てに小包が届いた。
ひとつは美弥宛てのチョコレート。
美弥は本当なら自分があげるべきなのにと恐縮しつつも、ペロリと平らげていた。
そして、自分宛ての小包には───。
「……………」
あの後も顔を合わせる機会はあったが、そのことに関しては一切触れなかった。
礼くらいは言うべきだと思っても、いざ直江を目の前にすると言う気になれないのだ。
こんなことでウジウジと悩んでいる自分が、とても癪に障る。
(掛けてしまえば、言うしかなくなる)
高耶は受話器をあげて、番号をまわした。
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